明治剣客浪漫 伝 るろうに 剣心 ~~追忆篇 ~~ 第一幕: 斬る男 比古:病んでいる時代も人も心も日ごと波瀾へ向かうこの時代が、強 大な力を持ってと言っても、この流れを押しとどめることなどできはせ ん (心太達一行の出番) (夜盗にあった) (屠殺) 霞:お願い!この子だけは! (殺された) 桜:心太あんたはまだ小さいから、私たちみたいに自分で 生き方を選ぶことはできないの?だから、今死んじゃだめ、あんたを生きたい、 生きて自分の人生を選んで、 死んだ人たちの分まで 心太、生きて 生きて、心太私の分まで (殺された) (比古が現れた) 夜盗:誰だ?貴様?! 比古:これから死ぬ奴が持っても意味がねぇなぁ (夜盗はその実力の差が分からずに比古に刀を振って来た) (勿論、夜盗は一撃で殺された) (比古が心太と初めて会う) 比古:通り合わせたのが何かも縁し、 仇は討った 恨んでも悔やんでも死ん だ人間は蘇らん己が生き延びれただけでもよしということだ (比古が離れた) 比古:よくあることだ立ち昇る血と白梅混む匂い夜盗に犬のよ うに殺されるのが地獄、 売り飛ばされて女郎になるのもまた地獄そう、よく あることだ。
これまでも、 そしてこれからも飛天御剣流の理に従 った刀を振っても、 結局だれ一人救えないこともある俺が確実にできること といえば、辞世者の骸を葬ってやることぐらいか (再び心太と会う) 比古:親だけでなく、夜盗共の墓までも鋤けたのか? 心太:親じゃなくて、お買い、親は去年コレラで死んだでも、夜盗だろうと 人買いだろうと死ねばただの骸だから 比古:その石は? 心太:霞さん、茜さん、桜さん会ってまだ一日だったけと、男の子は 自分一人だったから、命を捨てても守らなきゃと思ったんだでも、皆自分 を庇って、この子だけはって自分が子供だからだから、せめて 墓ぐらいとはいい石を捜したんだけと、こんなのしかなくて、 それも花がない んだ 比古:うまい酒の味もしらんでするのが不幸だからなぁ俺からの祭 品 (そう言いながら、酒を墓の上に零した) 心太:ありがとう、あのう 比古:俺は比古清十郎剣を少々やる 心太:剣? 比古:坊主、お前はかけ替えないものを守れなかっただけでなく、その三人の 命を託されたんだ お前の小さい手はその骸の重さを知っているだが、託さ れた命の重さはその否ではないお前はそれを背負ってしまた。
自分を支え、 人を守れる強さを身につけることだお前が生きていくため、 大切な者を守り 抜くために 心太:守り抜くために 比古:坊主、名は? 心太:心太 比古:優しすぎて剣客に優れないからなぁお前は今から剣心とま ま 心太:剣 (勢いが強い) 比古:お前にはおれの取って置き奥義をくれてやる ! (清里一行の出番) 清里:遅くなりました少し急ぎましょう 重倉:聞いたぞ、清里 清里:はぁ? 重倉:来月祝言だそうだなぁ 清里:はっあ 重倉:あの幼馴染みの器量良しをもらうか?果報の者め 清里:どうもでも悪い気もするんですよ世の中がこんなに荒んでいるうち に、自分だけ 重倉:何を言うか?! 世の中がどうあろうと人一人が幸せになろうとは悪いわ けにはなかろう?! (思い出が出る) 清里:来年の春には返れると思うしばらく辛抱だお互いにな帰りにお 漬けを買おう (巴が優しく頷いた) (剣心が闇の中から出る) 剣心:京都所司代重倉十兵衛と党友けすりこれより、「天誅」を加える 官員:刺客か?!たくが剣を一振りで世が動くと思うのか? 官員:名乗れ!名乗らないのか?! (殺された) 重倉:いかん!お前は今死んではいかん! (清里を援護する) (殺された) 清里:重倉さん!! ! (剣心と戦う) (独り言) 清里:死ねない。
死にたくない 剣心:諦める! 清里:それはいかん! 清里:死ねない今死ぬわけにはいかない死にたくない死んでたま るか死なん!絶対に!うわぁぁぁ! ! ! (二本の剣はすれ違った) (清里の恨みを含めた一撃によって剣心の左頬に一字の刀傷を残した) (清里が唸る) 清里:死死にたく死にたくない ! ! ! (止めを刺された) (飯塚の出番) 飯塚:緋村、やられたのか? 剣心:大事ありません 飯塚:緋村に傷を合わせる奴が居たとはこの男、かなりの腕か? 剣心:いえ 飯塚:うん? 剣心:しゅうに飯塚さん、後の始末よろしくお願いします 飯塚:おい! (旅館で思い出が出る) (山での修業) 比古:さあ、持ち込んでこい!もっと早く! (独り言) 比古:こいつは強くなる たとえどんなに剣の才能を持っていても、強くなり たいと思わなければ、 見ら枯れることはない こいつは誰よりも何よりも強さ を求めている馬鹿症中ほど純粋に (現実、独り言) 剣心:飛天御剣流の理には、 御剣流の剣、 即ち人の世のために振るう剣だので す弱気人々を守るために (桂小五郎一行の出番) 桂:久しぶりだなお前にたちおわびせた者がいるか? 剣心:不覚を取りました。
桂:飯塚、相手は? 飯塚:京都所司代重倉十兵衛の従者です名前では 桂:うん 剣心:何か? 桂:実は今夜、内々の集まりなんてなぁとしまるや宮部さんも出席する 今後のわが藩の方針を決定する大事な席だ 剣心:護衛ですか? 桂:いや、その席にお前も出てみたらどうかと思ってなぁ 飯塚:おう!すげいじゃないか? 剣心:お断りします 飯塚:えっ? 剣心:自分は人斬り、 それ以外に役に立てる術を持ちませんほかに用が無け れば、これで (離れた) 侍:おい!ちょっと! 飯塚:あっ失礼します! 侍:何だあの態度は!せっかく桂さんが気にかけて下さっているというのに! (奇兵隊の拠点で) 桂:奇兵隊? 高杉:おうや、こいつらとんでもねえ鉄砲だなぁになる必ずなぁこい つらはやるぜ!時に途方もない力を出す最後に幕府を潰すのはこいつだよ! 桂:腑抜け侍共よりもましたが、大丈夫なのか? 高杉:へい、お前は気が小さくていてね 隊員:次! (剣心の出番) 桂:あんな子供まで居るのか? 高杉: 「奇兵」の「奇」は「奇抜」の「奇」ってなぁ (剣心が一撃で一刀両断) 高杉:どうだ?いいあんまりだろう? 桂:高杉! 高杉:何だよ!鳩みたいに目を丸くしやがって。
桂:あの少年 高杉:うん? 桂:京に欲しい! ( 「天誅」を加えた) (また一字傷は血が流れていた) (思い出が出る) 比古:山を下りることは許さん! 剣心:師匠!こうしている間にも大勢の人が動乱に巻き込まれて死んでいるん ですよ!今こそ、この力を!御剣流を人々を守るために使うのでしょう?! 比古:このばか弟子が! 剣心:はっ?! 比古:その動乱の世にお前が一人で出ていてどうする?この乱世を変えたく ば、いずれかの大勢に組するしか策はないだが、それは即ち権力に利用され るということだ 俺はそんなことのために、 お前に御剣流を教えたわけではな い!お前は外のことなど気にせず、修行に励めばいい 剣心:目の前の人々が苦しんでいる、多くの人が悲しんでいる、 それを放って おくなど俺には出来ない! 比古:飛天御剣流は比類無い最強の流派たとえるなら、砲火置く船 剣心:だから、その力を今こそ使うべきでしょう!時代の苦難から人々を守る ために、それが御剣流の ! 比古:剣は凶器、剣術は殺人術!どんな綺麗補綴や歌い文句を口にしても、そ れが真実! 人を守るために人を斬る、 人を生かすために人を殺す、これが剣術 の真の理。
俺はお前を助けたあの夜、 何百人もの悪党を斬り殺してきただ が、奴等もまだ人間、 この荒んだ時代の中で精一杯生きようとしていたにすぎ んこの山を一歩出れば、 待っているのはものものの相容れない正義に突き動 かされたあくことのない殺し合いなんかそれに目を通せば、 御剣流はお前 を大量殺人者にしてしまうのだろう? 剣心:それでも、 俺はこの力で苦しんでいる人々を救いたいんです一人でも 多くの人を多くの命をこの手で守りたい、そのために師匠! 比古:お前のようなばかをもう知らん!どこへでもさっさと行ってしまえ! 剣心:ありがとうございました 比古:俺のばか弟子はばかなりに自分の生き方を選んだということだ純粋な りの故にこれもまた避けては通れぬ道 飯塚:血が、出てるぜ 町の人の話(略) 沖田総司:斎藤さん、どうしました? 斎藤一:血の匂いを拐帯ような気がした 沖田:いやだな、斎藤さん、最近ちょっと切りすぎなんじゃないですか? 斎藤:沖田君 沖田:はい? 斎藤:言葉というものは、よく咀嚼し、厳密してから、口に乗せるようになぁ 沖田:はいはい 飯塚:偉すぎ通りの真ん中行きやがって (剣心に)今夜、頼むぞ。
うん?いい匂いがするんなぁ 剣心:白梅香 飯塚:なんだ、意外に色っぽいもしてるんだ、 あの女か?いい女だなじゃ、 後でな 居酒屋の女: 嫌々わ、先通りで壬生狼連中に出くわして、恐ろしくて道開けて しまいましたわ 比古:春は夜桜、夏には星、秋に満月、冬には雪それで十分酒がうまい それでもまずいなら、 それが自分自身が何か病んでいる証だお前もいつか酒 の味が分るようにな、そのときは、うまい酒を酌み交わそう 飯塚:最近とくにすごいな、お前? 剣心:なにがです? 飯塚:相手にひめをあげる暇も与えないおい、まただ(血が出ているとの こと) 、こんな名詩を聞いたことがある、強い恨みを込められた刀傷というの は、その念が晴れない限り、決して消えることはないんだ 剣心:恨みの込んだ、刀傷 飯塚:そうな、消えそうがないというやつっと 剣心:姉ちゃん 飯塚:まだ洗ってんのか?そういえば、この間の快報大変だったらしいぜ 剣心:どうしたんです? 飯塚:いやだな、 宮部さんと桂さんがやりやがったとの話だ、どうも宮部さん たちがこの京で偉いことを進んでるらしい 剣心:桂さんは? 飯塚:今まだそのときではないってな、同席してた奴の話じゃ、 宮部さんに斬 り付けそうな勢いだったってよ 剣心:穏やかじゃありませんね 飯塚:まったくな。
桂:単刀直入に言おう、 君は人を斬れるか?綺麗事を言うつもりがない、これ は人殺しだ、だが新たな世を作るには、 古きものを打ち壊さなければならない、 いやな役割だが、 誰かがこれをやらなければならんお前は自分の力を人々を 守るために使いたいと言った、ならばその力、 俺に貸してほしい! 新時代のた めに、君は人を斬れるか? 飯塚:おい、お前!験分役の飯塚だ、この仕事初めてなんだろう?気をしっか り。