2ニャンコ:心に隙があったのさ、弱い心は魔物を呼ぶ、命を落としたくなかったら、どんな時でも気を緩めないことだまあ、もっとも私は早く命を落としてもらったほうが、友人帳も早く手に入って嬉しいがな夏目:今度寝ぼけたら、尻尾の毛抜くからなニャンコ:鬼だな夏目:妖怪に言われたくない露神:見つけたぞ、夏目殿夏目:間違いないんだ?露神:あ、やっぱりあいつはこの山にいた、声をかけたら、逃げてしまったが、まだそう遠くへは行っていまい夏目:先生、二手に分かれるかどうしたニャンコ:なんかやばいのが来る夏目:やばい?妖怪:参りました参りました露神:悔しいだ、向こうから現れるとは夏目:ええと、全然似ってないじゃないんですか露神:馬鹿いい、そっくりじゃないか夏目:同じなのは字だけだニャンコ:夏目、鏡だ日の光を反射させて目くらましにするのだ夏目:そうか妖怪:参りました露神:夏目殿妖怪:参りました参りました食べ物をいただきに参りました参りました参りました玲子:ねえ、私と勝負しない?あたしに勝ったら、食べ物をあげるなんなら、あたしを食べてもいいわよあたしは玲子、あなたの名前は?夏目:分かった、こいつの名前は...妖怪:参りました。
ニャンコ:夏目夏目:濯、露神、名を返そう玲子:聞いているの、露神露神:聞いてるよ、玲子玲子:いつまでも供物は続かないわよ現に今日だって桃一つないじゃない?露神:あ、そうだね玲子:人はとても現金で薄情よ力があるうちに、もっといい住処を探すのが身のためね露神:ありがとう、玲子けれど、一度愛されてしまえば愛してしまえば、もう忘れることなどできないんだよニャンコ:夏目もう歩いて大丈夫なのか夏目:あの濯って妖怪は影を伝って村へおりて、残飯をもらう代わりに、その家の皿を洗って帰るんだってねニャンコ:なんだ、調べたのか夏目:今じゃ、町は夜でも明るいし、もう会うこともないかもなニャンコ:山には仲間もいる人間なんかと縁が切れて、あいつもせいせいしてるさ夏目:そうかな、だったらいいけど露神、桃、持ってきてやったぞ露神?露神:ここだ、夏目殿夏目:あれ、また小さくなったな露神:まあな夏目:光だったぞ、どうしたんだ露神:あ、花さんが行ってしまったんだ夏目:え?露神:花さんは長いこと患っていてな、最近はここへ来るのもやっとだったんだ花さんは私を信仰してくれた最後の人間、彼女が行けば、私も消えるのさ夏目:俺が、俺が信仰するよ。
毎日は無理でも、拝みに来るよ露神:ダメだよ、夏目殿、君は私の友人だこれでいいんだ花さんと一緒に行けるずっと、ずっと見ているばかりだったが、これで、人に、あの人にやっと触れることができるような気がするよ夏目:聞こえてたんだよ、花さんには、あなたの声が、露神露神:ありがとう、夏目殿昔も今も、人間とは可愛いよだね今日はいい天気だな花さん:そうですねニャンコ:うん?どうした?夏目ああ、こら、何をする、もったいない夏目:罰当たりなこと言うなニャンコ:ここにはなにもおらんぞ夏目:今日はいなくても、明日はいるかもしれない思う心が大事なんだよなにやってんだよこのマヌケ猫ニャンコ:招き猫だ、化物ニャン夏目:なにがニャンだ饅頭を返せニャンコ:ニャン夏目:待って、饅頭泥棒ニャンコ:私の饅頭だ夏目:買ったのは俺だろうが待って、こらニャンコ:やだ、ビーーーニャンニャンニャン予告ニャンコ:おい、夏目、八ツ原の妖物どもが人間にやられたと泣いておるぞ夏目:妖怪が見えるやつの仕業ってことかニャンコ:あいつどいらく怪しい夏目:君は。